医療法人たがわ皮フ科形成外科


    田川ドクターのコラム   

足のほくろについて

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 顔にできている黒いできもの、足の裏の黒い斑点、気にされている方は

多いと思います。クリニックにも、このホクロ気になるのですがと

言って来院される方が多いです。

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 一般的にホクロと呼ばれているものは、色素性母斑または母斑細胞性

母斑という腫瘍であることがほとんどです。 腫瘍ですから良性も

ありますし、まれですが悪性もあります。

また、含まれているメラニンの量によって、黒いものから肌色のもの

まであります。

今回は、みなさんが気にされている足の裏のホクロについて、お話いたします。

よく足の裏のホクロは悪性になるから心配だ、テレビの番組でも日本人の悪性のホクロ(メラノーマ)は足の裏にできることが多いというのを見たので来ましたとおっしゃる患者さんが多いです。 確かに統計学的には日本人の悪性のホクロ(メラノーマ)は、足の裏に発生することが一番多いです。しかしそもそもメラノーマ自体、日本人には少ないですし、オーストラリアなどの外国では足の裏以外に、顔面、背部、腹部などの部位にも多く発生しています。 つまり、メラノーマはわれわれ日本人にはまれですが、足の裏のホクロでは悪性のものがあるということです。

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 今から簡単なホクロのチェックの仕方をお話します。ABCDEでみていきましょう。

 AはAsymmetry(左右不対称)、

 BBorder unclear(辺縁不正)、

 CColor(ホクロの色)、

 DDiameter(ホクロの大きさ)、

 EはEnlargement(急な拡大)

その頭文字をとってABCDEです。

 

 悪性が疑われるものは、見た目が左右不対称ないびつな形で、辺縁もはっきりせず、色も真っ黒な部分と赤っぽい部分が混ざっていることが多いです。 大きさは、56?以下では悪性のホクロは少なく、またここ最近で急に大きくなってきたりすれば要注意のホクロと言えるでしょう。

上の5項目の中でいくつあてはまるか、自分なりにチェックされるのが良いかと思います。 ただ、3項目位当てはまっても、ほとんどが良性のホクロであることが多いです。 つまり、見た目がきれいではなく、大きくなってきたホクロがあれば、皮膚科のクリニックを受診されたほうが良いでしょう。

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 われわれ皮膚科医はそのようなホクロで来院された患者さんを、詳しく診察しまして、必要であればきれいに切除して病理組織検査を行います。少々局所麻酔の注射が痛いですが、一番確実な方法です。 

病理検査では、悪性を含め良性でもどのようなタイプのホクロかはっきりわかりますし、そもそもホクロがなくなってしまうので治療法としてもベストです。  足の裏のホクロに関しては、レーザー治療、不完全な切除(一部ホクロの黒い部分を残す)は禁忌かと思います。

 もし、足の裏のホクロで心配なことありましたら、

来院されて診断、治療受けられるのがよろしいかと思います。

 

 次回は顔のホクロについてお話したいと思います。

 以上